摂食障害の診断基準(DSM-W)

 


神経性食思不振症(anorexia nervosa)

A.年齢と身長に対する正常体重の最低限、またはそれ以上を維持することの拒否(例:期待される体重の85%イカの体重が続くような体重減少;または生長期間に期待される体重増加がなく、期待される体重の85%以下になる)。

B.体重が不足している場合でも、体重が増えること、または肥満することに対する強い恐怖。

C.自分の方だの重さまたは体型を感じる感じ方の障害;自己評価に対する体重や体型の過剰な影響、または現在の低体重の重大さの否認。

D.初潮後の女性の場合は、無月経。つまり、月経周期が連続して少なくとも3回欠如する(エストロゲンなどのホルモン投与後のみ月経が起きている場合、その女性は無月経とみなされる)。

◆病型を特定せよ;
制限型:
現在の神経性食思不振症のエピソード期間中、患者は規則的にむちゃ食い、または排出行動(つまり、自己誘発性嘔吐または下剤、利尿剤、または浣腸の誤った使用)を行ったことがない。

むちゃ食い/排出型:
現在の神経性食思不振症のエピソード期間中、患者は規則的にむちゃ食い、または排出行動(つまり、自己誘発性嘔吐または下剤、利尿剤、または浣腸の誤った使用)を行ったことがある。

神経性過食症(bulimia nervosa) 

A.むちゃ食いのエピソードの繰り返し。むちゃ食いのエピソードは以下の2つによって特徴づけられる。
(1)他とはっきり区別される時間の間に(例.1日の難治でも2時間以内の間)、ほとんどの人が同じような時間に同じような環境で食べる量よりも明らかに多い食べ物を食べること。

(2)そのエピソードの間は、食べることを制御できないという感覚(例.食べるのを止めることができない、または何を、またはどれほど多く食べているかを制御できないという感じ)。
B.体重の増加を防ぐために不適切な代償行動を繰り返す。たとえば自己誘発性嘔吐;下剤、利用剤、浣腸、またはその他の薬剤の誤った使用;絶食;または過剰な運動。

C.むちゃ食いおよび不適切な代償行動はともに、平均して、少なくとも3か月間にわたって週2回起こっている。

D.自己評価は、体型および体重の影響を過剰に受けている。

E.障害は、神経性食思不振症のエピソード期間中にのみ起こるものではない。

◆病型を特定せよ:
排出型:
現在の神経性過食症のエピソード期間中、その人は定期的に自己誘発性嘔吐をする。または下剤、利尿剤、または浣腸の誤った使用をする。

非排出型:
現在の神経性過食症のエピソード期間中、その人は絶食または過剰な運動などの他の不適切な代償行動を行ったことがあるが、定期的に自己誘発性嘔吐をする。または下剤、利尿剤、または浣腸の誤った使用はしたことがない。
(高橋三郎他訳:DSM−W 精神疾患の分類と診断の手引き.医学書院、東京、1995)