「肥満治療の行動療法・1」


何回かに分けて肥満治療の行動療法について配信します。

行動療法は精神科の治療法なのですが、肥満治療に有効な事がわかり治療に応用されています。実際、私達へのご質問も食生活、生活リズム、誤った食習慣と認識がよく見受けられますので、何回かに分けて配信して行きたいと思います。

ダイエットとはただ一度減量しただけでは到底成功とは言えません。長い人生の上でほんの一時痩せただけでは減量とは言えず、これを長期間にわたって維持できる事が本当のダイエットです。

短期的に一気に痩せてリバウンドしてしまう例が非常に高率で、しかも健康障害も残るダイエット法が蔓延している昨今です。ダイエットは長期的に維持して初めてダイエットと言えるわけで、こうした意識が一般に低いのも問題です。

長期的に減量体重を維持するには肥満してきた今までの生活、嗜好その他の原因が必ずあるので、これらを排除しなければ減量した体を維持するのは難しいと思われます。

行動療法は基本的に自分の食生活や行動、体重の変化などをすべて細かくノートに記載して、肥満につながる行動、生活、クセなどを自分で認識して修正するという方法です。

肥満外来ほどの専門的な情報をネットで配信することはできませんが、ある程度ご自分でできる範囲の行動療法についてわかり易く配信できればと思います。
※肥満症への行動からのアプローチ※

a)なぜ肥満しているのか、自分の環境や問題になる
 食行動を分析し、認識する。


b)食べ過ぎを助長するきっかけを明確にし、これを排除する。

c)そのきっかけに対して自分はどう反応し、行動して
 いるのかを考え、それを止める努力をする。


d)自分の食べ過ぎに対して周りの人はどう反応しているのかを明らかにする。

以下の行動や考え方が自分で認識でき、改められれば
減量の大きな手助けになるでしょう。


※食生活の認識※
(体質に対する認識で肥満者に多く見られる認識)


●自分は他人よりも肥り易い体質だと思う。
●水を飲んでも肥る方だ。
●食品を買う時は多めに買わないと気がすまない。
●料理は多めに作らないと気がすまない。
●料理が余ると勿体無いので食べてしまう。
いかがですか? あてはまるようなら直せますか?
ではまた後日、この続きを配信したいと思います。

●参考文献
 坂田利家ら 肥満症治療マニュアル
 肥満.肥満症の指導マニュアル 日本肥満学会

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